看護師になることを目指していた看護学生にとって、看護師資格の取得は重要な目標であることは間違いありません。しかし、それはあくまでも看護師になるための手段です。重要なのはむしろその先。看護師としてどういう職場に行くか。どのようなキャリアを考えているかということです。実は多くの新人看護師がこの点をあまり重要視している人がいないのには驚きです。
看護師として働くことはしっかりイメージしていても、どのような看護師になるかということをきちんと意識している人があまりいないのです。一般の企業に就職する場合を考えてみましょう。多くの人はとりあえずどこでも良いから就職しようというのではなく、自分の将来や目標を叶えることができる職場を求めて就職活動を行なってきたはずです。看護師もそれは同じことです。どのような職場を選ぶのか。病院なのかクリニックなのか。診療所なのか。どの診療科を希望して、どのようなキャリアのステップアップを目指すのか。そのすべてが最初に選ぶ職場で決まってくるのです。
また、労働条件もしっかり見なければなりません。あこがれの看護師になったのは良いことですが、基本的に看護師の仕事は激務です。体や心に負担の大きな勤務ですし、それを支える職場環境や福利厚生が整った職場を選ばなければ、全国で3割弱はいるという新卒看護師の離職者の一人の仲間入りしてしまいます。あまりうれしいことではありませんね。幸いと言うか、看護師をはじめとした医療従事者が全国的に不足している現状は、看護師にとってより有利な職場を選択する権利があります。また、かつてとは違って看護師の力が必要な場所は医療機関だけではなくなってきています。自分が看護師として働き、知識と技術を十分に発揮することができる職場を選ぶことは、あなたにとっても周囲の人にとっても幸せなことであり、それだけに重要なことなのです。
今後は看護師の職場環境や待遇も改善されていくことが予想されます。それに、看護師としてのキャリアアップにつながる資格もあるので、自分を前進させて長く働くことができる職場を選んで、生涯現役の看護師として働くことを目指して職場選びを真剣に行いましょう。また、良い機会ですから自分に合った働き方というのはどういうものなのかについても考えてみると良いでしょう。常勤看護師だけでなく、パートやアルバイトでも看護師の仕事はありますし、日勤のみや夜勤専従という働きかたもあります。あなたのライフスタイルと体調などを考慮して、よりより働き方をすることのできる職場を探してみてください。